また微妙に予想が外れた。

世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王座決定戦、同級2位・亀田興毅VS同級1位・フアン・ランダエタの試合は、亀田選手が僅差の判定で勝利、同級新王者となりました。
接戦の末、判定はスプリットデシジョン、手数で勝るランダエタに対し、特に中盤、有効打で勝っていた点が評価された、ってな形になりました。
案の定、というべきか、一部(多数)メディアでは、やれ疑惑の判定だとか、作られた王者だとか、おだやかでない表現でこの試合および亀田選手について語られているようです。
ここまでの道程が道程だっただけに、それも致し方なしかと思います。
しかし!当サイト管理人は、ことこの試合に関しては、それほどトンでもないインチキ・イカサマ判定だったとは思えないでいたりします。


とりあえず、当サイト管理人による昨日の予想が丸っぱずれであったのは、ランダエタがワタシの予想以上に「本気」だった、というか、おそらくは亀田陣営が考えているような「終わった選手」では無かった、ということが大きいように思います。
っていうかそれが全てなのかも。
思ったより動けてたし、思ったより手数も出てました。
ただ・・・少なくともこの試合の亀田はもう単なるグリーンボーイ、殆ど何の芸も無く正面から手も出さずに前進するだけの「単なる新人選手」でしかなかったにも関わらず、そんな亀田を完封できなかったランダエタもどうかと思いました。
彼ほどの歴戦の選手・・・しかも彼はボクシング先進国であるベネズエラの選手であるので、敵地で世界戦を勝つにはどうするべきか、またどうあらねばならないか、よく知ってるはずです。
もし亀田がベネズエラ人で、ランダエタがベネズエラ人でなく、例えば日本人だったとして、この試合がベネズエラでの試合だったとしたら、普通に10ポイントくらい差がついちゃってたと思う。
もちろん、亀田の勝ちで。
むしろ、微差のスプリットデシジョンだったってとこに、我が国の良心をみた、というか。
敵国での世界戦で、この試合のレベルの亀田を完封できないんじゃ・・・ランダエタもちょっとガンバれよ!という感じです。
また、全盛期のランダエタであれば、今日の亀田であれば簡単に倒せたのではなかろうか、とも思いました。
敵国での世界戦ってそういうもんなんですよね・・・残念ながら、というべきか。
 
 
 
さてさて採点ですが、マストシステムだと、こういうことって結構起こりがちなようにも思いました。
どんな拮抗したラウンドも必ず10-9をどちらかにつける・・・こういう採点システムだと、得てして試合全体の印象と違和感のある採点結果になったりし勝ちです。
あるラウンドでダウンを取って10-8・・・2ポイントのアドバンテージを得ても、次とその次のラウンドで微妙な差を取られたらチャラになっちゃうわけです。
あと、確か最近は必ずしも「ダウン=10-8」となるとは限らない、みたいな指針もあるはず。
1Rの亀田のダウンは、ダメージというよりタイミングで倒れたような部分もあったので、必ずしも10-8でランダエタ優勢、という採点になってたとは限らないな、と。
事ほど左様に、はっきりとラウンドを取っていったのはランダエタでしたが、実は拮抗した中で亀田が微妙にゲットしたラウンドの方が多かった、みたいな見方もあるのかも知れません。
なのでこの試合、早速巷間で言われているような“トンでもない疑惑判定”とは言い切れないと思いました。
あとですね、採点の事を言うと、TBSでのボクシング中継番組では、ラウンド終了時に解説者による採点を公表しないんですよね。
記憶が確かならば、これは1983年の渡嘉敷勝男VSルペ・マデラ戦での反省から、だった気がします。
この試合の渡嘉敷は、今日の亀田以上に一方的にマデラに打ちまくられてました。
解説者の採点も一方的にマデラだったので、TV桟敷のワタシも“ああ、渡嘉敷陥落かぁ”と思ってました。
したら、しばらくの間のあと“勝者・渡嘉敷!”コールがTVから聞こえてきたのでビックリ、って、そういう試合だったです。で、この試合以後TBSでは、世界戦(だけではなく全ボクシング試合中継時の)・ラウンド終了時時に解説者の採点の公表をしなくなった、と記憶してます。
解説者の採点公表が無いので、視聴者の「??」感覚も増した、ってことも言えるかもしれません。
TBSっていえば、鬼塚VSタノムサク戦も、鬼塚のなんだか妙な判定勝ちだったっけなぁ。
ちなみに渡嘉敷も鬼塚も、亀田も協栄ジム所属ですが。
 
 
 
いろいろ言いつつも・・・公平に見て、残念ながら今日の試合は、亀田の勝ち試合ではなかったなぁ。
試合終了直後、もしかしたらドローってこともあるかも・・・と思いましたが、勝ったとはちょっと思えなかったなぁ、と。
しかし、“この試合は明らかにオカシい!”と声高に言えるほど決定的な差をつけられなかったランダエタも、やっぱし堂々の勝者、とはいい辛いものがありますな。
敵地ですから。
ボクシングってのはそういう競技ですから。