表題については「ARASHI Anniversary Tour 5×10」の札幌ドームコンサート、というのが正確なのですがそんなことはどうでもよく、なにしろ札幌くんだりまで行ってまいりました。
いやぁ、ある程度予想はしてましたが、スゴかったですねぇ。
オレは実は8月の、同・国立霞ヶ丘競技場コンサートの方にも行ったんですが、いずれもその総合的なクオリティの高さに圧倒されましたですよ。
ああ、そりゃ嵐、人気出るわなぁ!という感じでした。
嵐は今年で結成10周年。今回の一連のコンサートはその記念として催されています。
通常はだいたい、アルバム発売=それをテーマとしたコンサートを開催、といった趣になるのですが、その主旨から、今回はそれらと比べると言わばやや古参ファン向け・・・結成当時から応援している人たち向けにウエイトシフトしてる感じのものになってました。
言い方を変えると、10年のキャリアを総合的に振り返る体裁、というか・・・まぁ当たり前っちゃそうですが。
ただ、現在の嵐支持者において、かなりの割合がここ2、3年のファンであるはずなので、そういういわゆる新参ファンの存在を軽んじるわけにはいかない。
その辺のバランスが絶妙でしてね。古くからのファンも新参ファンも等しく楽しめる、しかもかなり高いレベルでそれを実現している、という、これはもうホントに瞠目でしたね。
これはホンの一例ですが、オープニングが「感謝カンゲキ雨嵐」(4枚目シングル・・・ちなみに最新は28枚目)だったり、「なつかしメドレー」的なセンテンスがあったり、またその中でかつて使用した衣装・小道具が登場したり、などなど・・・古参ファンには懐かしく、新参ファンには新鮮に、どちらにも等しく楽しめるクオリティとなっていました。
あと、これは国立競技場コンサートでも感じたのですが、国立にしろドームにしろ、これらは紛う方無き「大会場」。
大会場で行う際のデメリットとしては、席によってアーチストからの距離が近かったり遠かったりする、ということがあります。
ステージに近い席の人はずっとアーチストの近くにいられるが、遠い人はいつまでたっても遠い、という。
こといわゆる「アイドル」の・・・また・特に全席同料金のこのコンサートにおいて、このことは由々しき問題なわけですが、これの解決方法のスケールがなにしろデカい。
人力のトロッコに乗ったり、なんか電動?の山車みたいなのに乗ったり、果てはステージそのものが移動して、嵐メンバーの方から各客席エリアに縷々近づいていきます。それによってアリーナにいようが3階席にいようが満遍なくメンバーへの「接近」若しくは「邂逅」が楽しめる、というわけです。
簡単に書きましたが、5人揃っているステージがそのままバッターボックス付近からバックスタンド付近にまで動いていく様は、正に壮観でした。
5万人規模の会場で、「アイドル」が、「アイドルのコンサート」を成功させる、その為の手練手管がここにも結実している、という感じです。
昔の嵐のコンサートDVD・・・例えば横浜アリーナでのやつなんかを観ますと、メンバー、みな会場内を走り回ってます。メンバーが自分の足でもって各客席エリアに近づく、というのが当時の解決法だったんですね。
しかしながら会場のキャパがデカくなるとそれも限界。ドーム球場の端から端まで走りまわれ、というのは、そりゃ酷ってもんです。
で、普通はそこで諦めるもんだと思うのですが、ジャニーズ事務所はそれを許さないんですね。
会場キャパがデカくなることでクオリティ:ファンの満足度が薄まってしまうのは許さない、今までと同等、いやそれ以上の「満足」を与えなければならない、と。
というわけで出てきた発想が、例えばこの「ムービングステージ」と呼ばれる装置だったりするわけです。
クォリティの維持・向上に対するカネの掛け方がハンパじゃありません。
クォリティについてはセットや装置だけでなく、各曲の表現=演出においてもかなりハイレベルだったように思えました。キリが無いんで、その例として印象深かったものをひとつ。
今回10周年という意味の趣向として、メンバーそれぞれが主演etcしたドラマ・映画の主題曲は、その主演者がソロで歌う、というセンテンスがありました。
で、相葉くんが取り上げたのが、自ら主演した映画「PIKA☆NCHI」の表題曲。
これの演出ですが、まずJr.の面々がでっかい旗など携えて、一糸乱れぬマスゲームとして入場し、それを展開。
やがて、満を持して相葉くんが入場するのですが、ここでの彼の、衣装、振り付けなど含めたパフォーマンスが、それまで複数人によって構築されていた「調和」に対する、個人の「破壊者」ということで、巧みに対比され、生かされます。
で、それがそのままこの「PIKA☆NCHI」という曲の世界観である、という。
・・・こういうことが冒頭に近い前半に行われる、ということも含め、ああ、上手いもんだなぁ、と思いましたね。
そうそう、先ほど、メンバーとの「邂逅」、と書きましたが、嵐(に限らずおそらく全てのジャニーズのコンサート)では、観客とメンバーとの、「個人対個人のコミュニケーション」の図が往々にして見られたりするんですね。
オレはアリーナ席にいたのですが、周りの人を見ると、あの例のデカいウチワに、やれ「ピースして!」とか、「手を振って!」とかなんか色々書いてあるんです。
なんのこっちゃ?と思ってたのですが、
・トロッコetcに乗ってメンバーが近くに来る
・ファンの娘、「ピースして!」とあるウチワをかざす
・メンバー、それを見て、その子に向かってピースする
・・・すなわち、メンバー、機会あるごとにファンとの直接的邂逅を果たしてるんですね。
総合的なクォリティの高さに加え、事あるごとに果たされる個人レベルでのコミュニケーション行為。
抜け目が無いというか、磐石というか、これもいたく感心致しました。
こと嵐のコンサートは、特にリピーター率が高いんだそうです。
そのことは知識として知ってはいましたが、今回、それを体感しました。41歳のオレでさえ、もう一度行きたいなァ、などと思ってたりします。
皆さんも一回試しに行かれたら良いです。きっとリピーター化するでしょう・・・が、そうそう、チケット・・・これを入手するのはかなり難しいです。
オレは今回ファンクラブ優先抽選に参加し、首尾よく当選したから行けたわけですが、同じくファンクラブ会員であっても相当数が落選している由。倍率は当たり前のように2倍を超えたそうです。
で、試しに某オークションなどで観てみましたら、定価7千円のチケットが、場合によっては5万円くらいで取引されてたりしました。
確かにコンサートは堪能できるものでしたが、オレは5万は出せないなぁ。
しかし、5万円、ペアで10万円を払ってでも行きたい!という人が多くいるってのも事実です。
老婆心ながら、だいじょぶかいな?と思ってしまいます。
あと、グッズ販売について。
国立の時もそうでしたが、グッズを買うのに最低4時間は並ばなければならない、ってのは、ちょっとどーかな、と思いました。
今回嵐は国立+5大ドームでコンサートを行うのですが、その会場ごとのオリジナル商品が売られてます。その会場に行かなければ買えないストラップとか、ね。
で、通販なども無いらしいので、なにしろ欲しいファンは必ずこの行列に耐えなければならない。国立の時は猛暑だったので、数人倒れたりした由。
販売窓口を増やすとか、通販も受け付けるとか、後日でも変えるようにするとか、なんか手立てが必要なんじゃないかと思います。
思うに、この長い行列も戦略のうちなんだとは思います(せっかく行列に耐えたんだから沢山買わなきゃ!みたいな)が、とにかく客の健康を考えると危険だし、また商品に無闇にプレミアが付いちゃうのは犯罪のモトですよ、と。