思い出してみると、初めて買った新潮文庫が「ブンとフン」でした。氏の「処女長編」だそうで、小学4年生時分のワタクシは繰り返し繰り返し読んだもので
す。初めて書いた読書感想文もこれだった気がします。
続いて「ドン松五郎の生活」。これも新潮文庫でしたが、イヌの名前として「ドン松五郎」というのは秀逸というかなんというか。とにかくこれも堪能
致しました。
「天才」と「キ○ガイ」は紙一重とか言いますが、後年はその内包する「キ○ガイ」的な部分が殊更にクローズアップされすぎたきらいがありますね。
そんな気がします。常軌を逸した遅筆っぷりだとか、園遊会への出席だとか、また元妻へのDVの件、これなぞはもはや誰が・なにがホントかウソかわかりませ
ん。「元妻」女史の「暴露本」も読みましたが、「羅生門」状態です。
なにしろ、いわゆる普通人のモノサシで収まる人ではなかったんでしょうね。それは創作者としてありがちなことで、殊更に誹って良い話ではありませ
んん。
「羅生門」っていえば、黒澤明作品への傾倒?についても印象的でした。
確か文春だかで「七人の侍」について”今まで50回観た、あと50回観るまでは死ねない”とおっしゃってましたが、わが意を得たり、ということで、この言い回しは使わせて貰ってます。
つい先日・・・昨日とか一昨日だかに療養中云々の記事が出たばかりです。
こういう死に方をしない人だと、なんとなく、何の根拠も無く思っておりましたので、逝去の報は意外というか、まぁビックリです。
合掌