以下は2010年04月27日付ITMediaNews http://www.itmedia.co.jp/news/記事からの引用です。
「綾波レイのヌードはOK」――都が条例改正案のFAQ公開、「条文と違う」と指摘も
東京都青少年・治安対策本部は、アニメ・漫画に登場する18歳未満のキャラクターを「非実在青少年」として、性的描写などの内容によっては不健全図書に
指定して青少年への販売を禁じる「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(青少年育成条例)改正案に関する質問・回答集(FAQ)を、4月26日に公開
した。
対象となる漫画やアニメは「子どもとの性行為の描写を不当に賛美したり強調したりしたものに限定られる」とし、「ドラえもん」のしずかちゃんの入浴シー
ンや「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイのヌードシーンなどは「対象ではない」などと説明しているが、識者からは「条文と違う」という指摘も出ている。
畑は違えど同じコンテンツ制作者という立場からの意見なのですが、かの「条例」につきましては、ああ、いつかこういう締め付けが来ると思ってたよ!という
感じです。商業、非商業とそのベースはどうあれ、こういう作品を無軌道に頻発してたらそりゃいつか規制食うわなぁ、と。
確かにこの条例を読みますと、少なくともその文面上は、もうナンでもカンでも、当局がダメだと言ったらそれ即ち規制対象、と成り得ちゃう内容で
す。ここまで規制しちゃったら、もうなんでもアリじゃねーかよ!というね。
> 対象となる漫画やアニメは「子どもとの性行為の描写を不当に賛美したり強調したり
> したものに限定られる」とし、「ドラえもん」のしずかちゃんの入浴シーンや
> 「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイのヌードシーンなどは「対象ではない」などと
> 説明している
・・・って、わざわざこういうFAQを出すってこと自体がもはやその良い証明。こんな説明されたところで、条文がそういう内容になってないんです
からね。おためごかしとはこのことです。
尤もらしい内容っぽくなっておりますが、良く読んだら、これはおっかない「条例」ですよ。
ただですね、規制されちゃっても仕方ないような作品が多く世に出されてしまってる、ってのも、残念ながら事実でしょう。そう思う。思わざるを得な
い。”こんなの売っちゃっていいの?”という内容のものも沢山出てますよね。
こんなもの無軌道に売っちゃってたらイカン、こういうのが世に頻出することで、当局に付け入る隙を与えるのは全く持って得策じゃない、ないんだけ
ども、この状況が変わらない限りいつか来るだろうな、と、もう数年前から感じてましたよ。
いつの世も「当局」というものは、前記したような「当局がダメだと言ったらそれ即ち規制対象」というような規制をしたがるものです。これは最近始
まったことじゃない。私が知ってるだけでもまず70年代にこの手の議論があったはず。
でも、今までのケースでは業界自体に少なからず自浄作用が機能してたりしたんですよ。
70年代のケースに遡らずとも、例えば宮崎某が「幼女連続殺人」した際、アダルト系のマンガ雑誌はいち早く「表現自粛」しましたね。内容面のみな
らず、例えば効果音表現の自粛、登場する女性の「声」の自粛、など。
でも・・・その功罪・是非はちょっと置いといて、とりあえずこれらの自粛は長続きせず、いつのまにか、印象としては存外早め「解除」されました。
で、結果として、宮崎某の件以前よりその内容は過激になって、現在に至っている、という感じがあります。
例えば、明らかに「未成年」的な女性が複数人の男に「輪姦」され、そのあげくに
“もうお兄ちゃんたちの○○○が無くちゃ生きていけない~!”
・・・なんてぇのはね、これはとてもじゃないけども大勢のコンセンサスが得られるものじゃありませんよ。
こんなのを普通に売ったりしてたんじゃ、それこそ当局の思う壺、いつか総括的な規制が施され、真っ当な作家さんたちまでそのトバッチリ食ったりす
る事態になっちゃうんじゃねぇかな?と思ってました。私も、前述しましたが畑は違えど同じコンテンツ制作者ですから、こういうのは他人事じゃないなぁ、
と。
したら今年の2月になったところで、「東京都青少年の健全な育成に関する条例(一部改正)」の登場ですよ。
ああ、とうとう来ちゃったかぁ、と思いましたね。
そんなわけで、私としては、コンテンツ提供者側にも、それなりの「罪」がある、と思ってたりしますよハッキリ言って。こうなる前にどうにか出来な
かったのか?と。
どうにかならないもんでしょうか。私は殊更マンガ・アニメの制作に携わる者ではありませんが、他山の石として見ていられる話じゃありません。
どこかで手打ちしてもらえないもんですかね。同じエロ関係でも、AVの方はその辺上手くやってるじゃありませんか。