以下、毎日JP(毎日新聞2011年8月5日東京夕刊)からの記事引用です。
東海テレビ放送(本社・名古屋市)は、岩手県産米を中傷するような不適切なテロップを4日流した情報番組「ぴーかんテレビ」の5日午前の放送を休止
した。番組開始時刻だった午前9時55分、アナウンサーが「ふざけ心ですまされない大変不謹慎な表現に大きな問題があった」などと岩手県や福島県の関係者
らに改めて謝罪した。東海テレビは4日夜、浅野碩也社長を本部長とする対策本部を設置、テロップが流れた原因究明などを行う。
約2分30秒の謝罪放送では、「担当者がふざけ心で作製した仮のテロップを、操作ミスで放送した」とし、ディレクターらの管理体制に甘さ
があったとした。また「風評被害を食い止めるべく、細心の注意を払わなければならない私たちが、あたかも岩手県産ひとめぼれが安全ではないような誤解を招
きかねない放送をしたことを深く反省しています」と関係者にわびた。
同社は4日の番組で、岩手県産米「ひとめぼれ」のプレゼント当選者を「汚染されたお米 セシウムさん」などと表記したテロップを流した。
震災直後にも、スタジオでのOFFの音声・・・”また原発ネタ?””もう笑えてくる~”なんてのがOAに乗っちゃったりしたことがありましたね。
今回の件も、岩手県のサイト(http://
その23秒間のあいだ、誰も”ヤバい!消せ!”とならなかったんでしょうか。ならなかったんでしょうね。
つまり、一事が万事、彼等のマインドはこういうところにある、というわけです。それに他ならない。
連日のように、やれお茶っ葉からセシウムが出たとか、原子炉建屋から超高線量だとか、肉牛の汚染が確認されただとか、
「なんだかよくわからないけどとにかく恐ろしいことになってるらしい」
「でも自分じゃほぼどうすることもできない」
・・・こういう類の情報が相変わらずメディアに飛び交っております。
「自分じゃほぼどうすることもできない」という状況、これは非常にキツい。正に生殺しです。
個人の力では本質的にはどうすることもできないけども、だからってただ座してナニゴトかを待つのみ、ってのはとても耐えられぬ・・・というわけ
で、ちょっと金銭的且つ時間的な余裕のある層は「現場」からより遠い地域へ引越したり、ある人は昨今またぞろ新発売されてる線量計etcを買い揃え、また
ある人はこれも昨今にわかに増えた「原子力関係本」を買うべく書店に走る、と、さまざまなリアクションがそこかしこで見られます。
そりゃそうです。「ただ座してナニゴトかを待つ」という、これが出来るほど人生を悟っている人はそう多くないし、またそれは決して罪ではありませ
ん。本当に意味があるのかどうかは誰にもわからないものの、とにかくなんかしなきゃいられない、という、これは危機に相対した人間として正常なリアクショ
ンです。
しかしながら、そういう情報を流してる当のメディア側のマインドは、こんなザマなわけですよ。
かなり多くの人にとって、マスメディアが唯一の情報源です。殆どの人が、TVや新聞の情報を信じるしかない、という状況にあります。
しかし、その裏ではこういうアホなテロップなんか作ったりして、視聴者、そして結果として被災(者)を哂ってるわけだ。
多くの人がメディアによって一喜一憂し、その末に上記のようなリアクションを取るに至ったりしてる、まさにそのさなか、彼等は高みの見物・・・「ふざけ心」とは言いも言ったりです。
ついでに言うと、マスメディアがその信用を失うってことは、これはホントは大変なことなんですよね。国が揺るぎかねない大ごとなはずです。
近代社会において、国家が成立したら、かなり早い段階で統括的な「マスメディア」が整備されますよね。一国の安寧秩序及び平和的な発展のために、メディアの整備は必要不可欠、必須条件。
昨今の「韓流」云々の事柄しかり、我が国は・・・そう、国として・国民として、我々は今一度「メディア」というものについて考えなきゃイカンのではなかろうか、と思う次第です。