シティポップが流行ってるらしい。
今日出先で聞いてきたのですが、なんか昨今こと若者の皆さんにおかれましては80年台のいわゆるシティポップが流行ってるんだとか。
楽曲に普遍性を備えさせるのはひとえにアレンジの力だと山下達郎大先生が昔仰ってた(と思うの)ですが、確かにこの頃のこのジャンルはなにしろアレンジが素晴らしい。40年近く経った今になってまた流行るってのがその証拠です。
オレのようなオッサンの心中にはこの辺の楽曲を聴くとまず「懐かしさ」が沸いてしまいますが、これは純粋な鑑賞においては邪魔な要素です。
若さを羨ましいと思ったことは今までただの一度もないですが、これらの佳曲をいまこの時代に「初聴」できる若者に対しては例外的にそう思います。ああ羨ましい。オレはもうあの初聴時の感動を味わうことはできません。
1990年代の後半頃だと思うのですが、最新のハードウエアを駆使しての電子音系の音が横溢しておりましたヒットチャートの界隈におきまして、いきなり70年代のフォーク村から出てきたような「ゆず」が現れ席巻したりしたように、本質的なヒットソングおよびその制作者というものは必ず聴衆の主体性に依って生まれるのであります。ここは信じてよいポイントです。良いものはいついかなるときも「良い」のであって、なんだかんだ言って良いものは日の目を見るパーセンテージが高い。聴衆はそれほどアホなもんでもありません。本末転倒なマーケティングに依って計算されたものよりもアベレージは実は高いんじゃなかろうか。