亀田を擁護したいと思う。

改めてネットを徘徊するに、なんか亀田がやたら叩かれてるので、あえてちょっと擁護してあげようと思う。

まず、対戦相手の質が云々ってポイントですが、これはまぁ確かに高くは無いです。対戦相手選びの巧みさは称賛に値するものです。
でもそもそもプロボクシングの世界戦というのは、基本的に対戦相手の選択権は王者側にあるのです。それどころか試合開催国・会場、さらにレフェリー・ジャッジも王者側に選定の権利があります。
こんな非常識なことがまかり通ってるプロスポーツ業界などボクシングぐらいでしょう。つまり、亀田を対戦相手云々で叩くのであれば、プロボクシング業界を叩くべし、です。

また、確かに亀田の防衛戦の相手は微妙なメンツばかりですが、こういうことやってえるのが亀田だけかっていえば決してそんなことは無く、有名なところではモハメド・アリ。彼がベトナム兵役拒否のペナルティが切れて世界王座にカムバックした後の8度の防衛戦の相手など、昨今の亀田以下です。マジでどっかの酒場の用心棒を無理やり連れてきてやらせたりしてる感じでした。みんながみんなじゃないけども、そりゃもうヒドい相手ばかりだった。
要するに、亀田的な事柄ってのは、プロボクシング界には極めてありがちなことなのですよ。アリでさえそういう傾向があるくらいですから。

それにしても、亀田陣営の対戦相手選びは見事!です。決してハードパンチャーでなく、さほどフットワークが無く、少しだけ打たれ弱さがあって、あまり連打の出来ない相手。全部このフルイに引っかかった相手ばかりです。こういうのをよく見つけてくるなぁ、と思います。一戦や二戦じゃないから、こりゃタイヘンな仕事ですよマジで。

そして、戦いっぷりがつまらない、みたいな話ですが、それは彼のファイトスタイルなんだからしょうがない。殊更パンチ力があるわけでもなく、といって巧妙な連打ができるわけでもなく、さらに秀でたディフェンス力も持ち合わせないわけなので、勝つためにはああいうスタイルにせざるを得ないです。で、それは非難されるべきことじゃありません。
オレはもう30年以上プロボクシングを観てますが、亀田なんかマシな方です。今までも、オマエ(ら)はいったいなんなんだ???っていう世界戦、王者、挑戦者はいっっっぱいいました。イラリオ・サパタに手も足も出ず完封された友利正とか、亀田と同じバンタム級で、六車卓也と世界王座決定戦をやったアサエル・モランとか、TV解説者に「こりゃダメですね」とハッキリ言われたVS.ガメス戦の横沢健二とかね。オレが実際観た分だけでも枚挙に暇がありません。
(ちなみにこのガメスvs.横沢戦はホントにヒドい試合で、この試合でコリたフジテレビは以降30年近くボクシング中継を打ち切ってた、という。そういや上に挙げた3試合は全部フジテレビだったな)
こういうのに比べたら、亀田は一応勝ってるので、叩いたら可哀相です。

ああ、あと、判定がおかしい、亀田が負けてたんじゃないか?なんて話が試合のたびに出てきますが、これはまぁハッキリ言っておかしい時もありました。その最たるものが2009年の内藤大助戦で、これは亀田の4~6ポイント勝ちでしたが、これはムチャクチャでした。近代ボクシングの採点基準に照らせば明らかに内藤の勝ちです。試合後の「勝者、亀田!」ってコールを聞いて、オレはズッコけました。おいおい、って。
・・・でも、この試合以外は、得点差はともかく、いずれも亀田の勝ちでOKな感じですよ。そういう戦い方をしてましたからね。即ち、あわよくばKOも狙うけど、基本線としては小差判定勝ち狙い、という。

最後に、こんだけ業界内外から叩かれまくってるにも関わらず、亀田は腐らずちゃんと練習をこなしている。じゃなきゃあの体は保てません。これは称賛すべきことですよ。
普通イヤんなっちゃうよ、こんなボロカス言われたら。

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